望み通りの動画を作りたいと考えている場合、エンコードについてもしっかりと知っておきましょう。動画に対して適切なエンコードをすることで、サイズや画質をコントロールできるようになります。こちらではエンコード自体の説明に加えて、行う理由や手順などを説明するので、これから動画を作ろうとしているなら参考にしてください。
動画エンコードとは何か?
動画エンコードとは何かを簡単に説明すると、動画ファイルを完成させるために行う作業のことです。ファイル形式やビットレート、そしてフレームレートなどを指定してエンコードすることで、自身の好みに合った動画を作り上げることができます。いくつかの方法で動画エンコードを行えるため、目的に合ったものを利用しましょう。
また、すでに完成した動画を違った形に変換するときもエンコードを行わなければいけません。例えば、MP4の動画ファイルをMOVにしたいときは、変換ソフトなどを使ってやり直す必要があります。変換を行うと画質や音質が劣化する可能性があるため、できることなら一回限りのエンコードで済ませた方が賢明です。
動画エンコードをする理由
動画エンコードをする理由はいくつかあるため、それらを知った上で作業を行うと満足できます。ここでは代表的な理由を説明するので、基本的なことを知りたい方は参考にしてください。

引用元:https://oes.ne.jp/
#ファイル形式をエンコードする理由
MP4やH264、そしてMOVなど動画には数多くのファイル形式が用意されています。そこで注意しなければいけないのは、利用する機器で再生ができるかどうかです。パソコンだけで利用するのならば、どのようなファイル形式でも読み込めます。最初は再生が不可能だったとしても、特定のソフトをインストールすればできるようになります。
しかし、ブルーレイレコーダーや携帯プレイヤーなどは、再生できるファイル形式が決まっているため、その形に指定してあげなければいけないのです。従って、再生したい機器がどのファイル形式に対応しているか調べてから、エンコードをすることが大切です。
#ビットレートをエンコードする理由
ビットレートというのは、1秒間のデータ量を表す数値です。含まれる映像と音声のそれぞれにビットレートがあって、数値が高ければ高いほど高画質・高音質の動画に仕上がります。どの程度のクオリティが必要なのか考えて、ビットレートを選べば満足できる動画を作れます。ただし、高画質・高音質にすると動画のサイズが大きくなってしまうことを忘れてはいけません。もしも、ブルーレイディスクなどのメディアへの保存を考える場合は、ビットレートを調節して容量に収まるようにしましょう。
ちなみに、再エンコードする際にビットレートを指定するなら、同じ数値にするか下げることをおすすめします。数値を上げたとしても、元の動画以上に画質や音質が上がることは決してないので気をつけなければいけません。
#フレームレートをエンコードする理由
映像は静止画を連続して表示させることで作られています。その静止画を1秒間で何回表示させるのか指定できるのが、フレームレートの設定です。数値を高くすると静止画の表示回数が増えるので、よりなめらかな映像を目指せます。ちなみに、地上デジタル放送の数値は30で映画の数値は24となっています。フレームレートによって映像の雰囲気が異なってくるため、テレビや映画を参考にして決めましょう。
動画エンコードの方法
動画エンコードする方法は、利用するソフトによって異なります。ここではスタンダードな手順を紹介しますが、所有するソフトによっては異なった操作が必要かもしれないので注意してください。より詳しい方法を知りたい場合は、ソフトに付属するマニュアルを読むことをおすすめします。最近では、導入前にインターネット上でマニュアルを確認できるソフトも多いので、使い勝手を把握してから利用を開始できます。
#編集時のエンコード方法
動画編集ソフトを利用するエンコードは、作成の最終工程で行う可能性が高いです。そのため、まずはいらない箇所をカットしたりエフェクトをつけたり、必要なことはすべて終わらせましょう。そして、満足できる仕上がりになったら、保存や書き出しの工程に進みます。そうすると、ファイル形式やビットレートなどの指定が行えるウィンドウが開くので、好きなように設定します。最後にエンコードボタンをクリックすれば、望み通りの動画が完成します。
#変換時のエンコード方法
変換する際のエンコード方法は二つあります。一つ目は動画編集ソフトを使って行う方法で、作成時のエンコードとほとんど同じ手順で変換も行うことが可能です。二つ目は動画変換ソフトを活用して行う方法です。基本的にはソフトを立ち上げた時に現れるウィンドウに、再エンコードしたい動画ファイルをドラッグアンドドロップすることからスタートします。動画ファイルが読み込まれた後、設定ウィンドウが表示されるので希望する形でエンコードしましょう。
動画エンコードを行えるソフトを紹介
動画エンコードを行えるソフトは、編集も行えるものもあれば変換のみに特化したものもあります。それらは、有料で販売されているケースもありますし、誰でも無料で入手できるケースもあります。どのような動画を作りたいのかによって選ぶべきソフトは変わってくるためしっかりと考えましょう。
#Adobe Premiere Pro
本格的な動画を作りたいと考える方におすすめです。様々な形にエンコードできるのはもちろん、優秀な編集機能が備わっているため、自身の頭の中にあるイメージをしっかりと形にできます。なお、Adobe Premiere Proはパッケージ版は発売されておらず、サブスクリプション形式で提供されています。公式サイトから一ヶ月単位で契約できるようになっていて、安価で試すことが可能です。
#Final Cut Pro
使っているパソコンがウィンドウズではなくマックの場合は利用を考えてみましょう。こちらはAppleが開発・販売する有料の動画編集ソフトで、高品質のエンコードが行えるようになっています。もちろん、マック以外でも再生可能な形で作成できるので、ウィンドウズパソコンやタブレットなどでも視聴できる動画を作れます。
#AviUtl
フリーで配布されている動画編集ソフトを使いたいならAviUtlがぴったりです。本体だけではエンコードできる種類は多いとはいえませんが、プラグインを導入することでかなり増やせます。もちろん、本体が無料なのですから、配布されているプラグインも無料となっています。ちなみに日本語の解説サイトが数多くあるため、使い方に困ったとしても解決方法を見つけるのは難しくありません。
#XMedia Recode
面倒な手間をかけずに動画をエンコードしたい場合はお世話になりましょう。こちらはフリーの変換ソフトで、編集ソフトよりもずっと簡単にエンコードが行えます。また、一括変換にも対応しているため、複数の動画ファイルを同じ形式にしたい場面でも役に立ってくれます。
#Wise Video Converter
動画を再生したい機器が決まっているときは、フリーソフトのWise Video Converterが力になってくれるでしょう。スマホやタブレットなど、使用したい機器を選ぶだけで適切な形にエンコードしてくれるという、とても簡単に使える変換ソフトです。もしも、何を設定すべきなのか分からず、パソコンにも詳しくないなら使ってみましょう。
まとめ:色々と試してみよう
エンコードを行うときに設定できる項目はいくつもあるので、色々と試してみることをおすすめします。少し変更することで完成品に大きな影響を与えることも珍しくはないので、時間をかけてこだわりの設定を見つけましょう。なお、色々と試す場合は、短めの動画を利用した方が時間を節約できます。長い動画を使ってしまうと、それだけエンコード時間が長くなってしまうので気をつけなければいけません。
コメント