1.SeeQVaultとは
SeeQVault(シーキューボルト)とは、録画したHDコンテンツを機器をまたいで楽しむために、パナソニック、ソニー、東芝とサムスン電子(韓国)の四社が共同開発した新しいコンテンツ保護技術です。
2.SeeQVaultの主な特徴
2.1 接続機器が変わっても視聴可能
地デジ放送や衛星放送の番組は、第三者による複製や再利用がされないように、常に著作権保護技術で暗号化されています。これまでの著作権で保護された番組の録画では、録画した機器以外で再生しようとすると同じメーカーであっても再生できない、つまり同じ型番の機器でしか視聴できないという状態でした。
しかし、SeeQVaultという新しい著作権保護技術は、録画番組を別の機器でも再生・視聴できる「再生互換性」を実現し、同じ機器に縛られることなく、いつでもどこでも録画した大切な映像番組を楽しむことを可能にさせました。
2.2 HD画質のままで持ち運びが可能
これまでの録画番組では、内部ストレージ容量を圧迫しないように、画像の解像度を下げたり、画像を圧縮して容量不足を防ぎます。そのため、画質を落として録画する必要がありました。また、インタネット経由で放送番組を複数のデバイスで高画質のまま視聴する方法がありますが、ネット環境が不安定になると画質が粗くなってしまうことは多々あります。
一方、テレビやレコーダーで放送されているHD画質の番組をそのまま持ち出して視聴できることがSeeQVaultのもう一つの特徴です。SeeQVault対応のメモリカードを使用した場合、外付け方式のため内部のデータ容量を節約し、放送番組のHD画質をそのまま書き込むことができます。あらかじめ外付けのメモリカードで録画しておけば、万が一ネット環境がなくても保存番組が視聴可能で、画質にも影響を及ばずで済みます。SeeQVault技術によって、HDコンテンツの持ち運びがより手軽な作業となりました。
3.SeeQVaultで録画・再生する方法
SeeQVaultで放送番組を録画・出力・再生するには、SeeQVault対応の外付けハードディスクが必要です。使用方法は一般的な外付けハードディスクとほぼ変わらず、大まかに1)番組一覧表をテレビやレコーダー側に表示する。2)録画したい番組を選び、録画設定で録画元をSeeQVault対応の外付けハードディスクに設定する。という手順です。
では、これからテレビ+外付けHDDの組み合わせでSeeQVaultを利用する方法を詳しくご紹介します。
ステップ1:外付けHDDハードディスクに録画番組を直接保存する。
SeeQVault対応テレビのUSB端子に外付けHDDハードディスクを接続し、それを録画元あるいはダビング元に設定します。次は番組リストから録画したい番組を選び、「決定」ボタンを押せばOKです。
※SeeQVault対応のハードディスクをテレビではじめて利用する時に、登録(初期化)が必要です。
ステップ2:別のテレビやレコーダーで録画番組を再生する。
録画番組を保存した後、HDDハードディスクを取り出してもう一台のSeeQVault対応テレビのUSB端子につなぎます。次はSeeQVaultプレーヤーを起動し、保存した番組を再生・視聴することができます。
4.SeeQVaultにおける制限と注意点
SeeQVault技術は録画した機器でしか再生できない「機器バインド」を解消したうえ、HD画質を劣化せず圧倒的な視聴体験をもたらしたメリットがありますが、実際に利用するといくつかの制限で不便利を感じることろがあります。
4.1 すべての機器がSeeQVault対応
SeeQVault対応の外付けハードディスクはSeeQVaultに対応した機器のみ録画またはダビングの対象としているので、録画用の機器と再生用の機器もSeeQVaultに対応しなければなりません。どちらかがSeeQVault非対応だとしたら、他のデバイスで視聴するどころか、番組を録画することさえもできません。
4.2 同一メーカー機種間に限って互換性がある
SeeQVault対応のハードディスクは、SeeQVault対応機器であれば使用できますが、違うメーカーでの再生は対象外となるようです。つまり、すべての機器がSeeQVault対応であるという条件を満たしても違うメーカーの機器につなぐと、SeeQVaultとしては利用できません。
4.3 4k番組には非対応
SeeQVaultは「HD画質に対応した規格」と言われています。4k規格に対応していないので、4k番組の映像データを別のテレビやレコーダーに移行しようとすると失敗する可能性が高いです。
4k番組は録画機能のみ対応しており、録画番組の引継ぎはできないという条件がSeeQVault対応製品の取扱説明書や販売ページに多く書かれています。それは、SeeQVaultで録画した4k映像はSeeQVault形式ではなく、通常の録画用フォーマットだからです。データ形式はSeeQVault形式で保存されないと、一般的なハードディスクと同様に他の機器へのデータ移行はできません。
4.4 BDレコーダーのダビング回数に制限がある
デジタル放送はコピーワンスとダビング10の録画制限があります。従来のUSBハードディスクは複製元のデータを消去しながら別の記憶媒体に移動(ムーブ)することで、ダビング回数を保持できます。それに対してSeeQVault対応ハードディスクは、機器自体に映像データを保存し、それをSeeQVault対応ハードディスクにダビングする仕組みで、ムーブを利用できません。
また、BDレコーダーの多くはSeeQVault対応ハードディスクに番組を直接録画することはできないため、ダビング10のコンテンツの場合は機器自体のダビング回数が一回減り、ダビング可能な回数が制限されています。
5.DVDダビングに役立つ!DVDFab Passkey for DVD
5.1 DVDFab Passkey for DVDとは
DVDFab Passkey for DVDとは、市販またはレンタルのDVDに施されたコピーガードやリージョンコードなどの制限を取り除くソフトです。RCやARccOS、、APS、RipGuardなど、対応するコピーガードが多く、最新のコピーガードでも解除できるのが特徴です。
また、地デジやBSデジタルをDVD-VRで録画した際に付加されるCPRMをAVCREC方式またはVR方式で解除することが可能で、多様なDVDコピーガード解除ソフトと言えるでしょう。
5.2 DVDFab Passkey for DVDの使い方
ステップ1:公式サイトから「無料ダウンロード」をクリックし、画面指示に従ってインストールします。
ステップ2:DVDFab Passkey for DVDをダブルクリックして起動します。起動したソフトはシステムトレイに最小化されています。次はDVD-VRをドライブに挿入します。
ステップ3:DVD-VRを挿入すると、データの読み取りが自動的に行われます。解析が終わると、右下にある「OK」をクリックしてコピーガードとリージョンコードの解除作業が開始し、操作完了です。
ステップ4:DVD-VRをリビングしたい場合、システムトレイに最小化されたソフトのアイコンを右クリックし、「ハードディスクにリビング」か「イメージにリビング」を選択してDVD-VRをHDDまたはISOイメージファイルにリビングすることができます。
6.まとめ
以上、接続機器が変わっても録画番組を視聴できる新技術SeeQVaultを紹介しました。SeeQVaultは高画質、外付け形式とネット不要の魅力があり、新しい視聴方法として利用ユーザーが増える一方です。またSeeQVaultを使用する場合、一部の使用制限により失敗したことがあるので、それらを踏まえて録画・再生することがおススメです。
最後は、CPRMを解除できるソフトDVDFab Passkey for DVDをご紹介しました。CPRM はBSデジタルをDVD-VRで録画した際に付加されるコピーガードで、デジタル放送番組が記録されたDVDを自由に楽しめたい方はぜひ活用してみてください。
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